ありがちな誤解
同人=エロマンガではありません。
同人=ホモマンガではありません。
同人=マンガやアニメやゲームや芸能人に元ネタがあるとは限りません。
この「同人用語の基礎知識」で指すところの「同人誌」の中には、確かに「18禁」「R指定」などのエロ同人誌(いわゆる男性向けモノ)やホモ同人誌(やおい本などと呼ばれるいわゆる女性向けモノ)は数多く存在しますが、一方で性描写の一切ない、「健全」同人誌も数多く存在します。また、男性向け・女性向けはそれぞれ同数くらい存在します。
ただしイベント(同人誌即売会)によっては男性向けばかり、あるいは女性向けばかりの場合があります。地方では「女性向け」が多いかも知れません。…とりあえず、「女性向け」が中心の即売会に男性が行くと肩身が狭い思いをしますし、「男性向け」が多い即売会では女性参加者は気まずい思いをします。また、同人誌委託書店でも同様の住み分けがあるようなので、慣れないうちは大変かもしれません…。 マンガ好きやアニメ好きに限ったものではありません。
ゲームや小説の同人誌も数多くありますし、芸能人関係のものもあります。 「コミックマーケット」では更に、鉄道好きの人が作った電車の本もありますし(実は結構多いです)、天体や宝石の本もあります。飲み物や食べ物に関するものもありますし(以下エンドレス)。要するに、自分の好きな題材で作られているものです。
ただし…今の同人誌ブーム(的なもの)は、マンガ好きな人が自分の描いたマンガを他人に見せるために自費出版で作った「同人誌」からはじまっています。今から30年ほど前でしょうか…。 違法の海賊版などではありません。
実はごく一部で著作権法などに触れるものもありますし、著作権者によっては「同人誌=違法」と捉えている場合もあるようですが、現在の「パロディ同人誌」(二次創作モノ同人誌)はアンダーグラウンド的なものではありません。ただ、著作権法的には「グレーゾーン」であることは認識しておいた方がいいかもしれません。
現状のパロディ同人誌がどういった内容であるかは、一般書店で買える「アンソロジー」本を見てもらえばだいたい判ると判るでしょう。「女性向け」に近いですが、週刊少年ジャンプのマンガを元ネタにしたものは多数出ています。
辞書的な意味
「新明解国語辞典・第三版」では<同人>『…同士・(同門・同好)の人。仲間。どうにん。「ー雑誌」…』とあります。また、三省堂「新語林」によると「同好の士。仲間。どうにん。」(Yahoo!のサービス利用)とのことです。
また、日本の文学史上、「白樺派」の「白樺」などの有名な同人誌(同人雑誌)がありました(高校くらいの国語教科書で出てくるハズです)。更に明治時代の文学人の間でグループを作って同人雑誌を作るのが流行っていたようですし、戦後の作家でも川端康成氏などはかなり同人誌上で作品を発表しています。
つまり、「同人」という言葉には本来、「18禁」だのましてや「女性向け」だのといった意味は全くありません。同人系ホームページの警告として「このページには同人要素を含みます」と書いても無意味もしくは逆効果かも知れません。(年輩者には上記のような雑誌の印象があるので文学関係のページなどと思われるかも知れません…)
なお、辞書的な意味から考えると、ある団体(サークル)があってそこのサークルで作品を発表してる人が「そのサークルの同人」ということになり、サークルに所属していない人、「個人サークル」を作っているような人は「同人」ではなくなってしまいますね…。
http://human-dust.kdn.gr.jp/doujin/doujin2000/doujin00.html より